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稲場圭信の研究室 Keishin INABA

利他主義・市民社会論、ソーシャル・キャピタルとしての宗教に関する研究、宗教社会学:::稲場圭信(大阪大学大学院教授) Keishin INABA(Ph.D.)'s site for the study of altruism, civil society and religion as social capital.

行動発達概論「ボランティアと利他主義」

講義のスライドメモです。
■親が「子育てで力をいれていること」
第1位
「他者への思いやりを持つこと」 
               55.5%
ベネッセ教育研究開発センター
「第3回幼児の生活アンケート」、2005年調査

■社会状況
社会福祉、ボランティア、NPOが話題
社会学、心理学、哲学の分野で研究

現代社会が抱える様々な問題に既存の行政主導のシステムだけでは対応不能

自発的な思いやり(利他的)精神に富む市民社会、誰もが社会的責任を持って支えあう社会へ

■ボランティア活動の性格
基本姿勢:自発性、主体性、無償性
目的:公共性、利他性、福祉性
活動形態:連帯性、継続性
機能:先駆性、開拓性、市民性

■体験からの気付き
・ボランティア活動のきっかけや動機が自己実現や個人的な趣味であったとしても活動に関わるうちにそのような個人的な希求を中心に活動を展開することは困難

・個人の自発性やニーズと他者のそれとの出会い・折衝・調和というようなプロセスを体験することが、ボランティア活動がもたらす重要な産物

■自発性のパラドックス
・偽善的?
・無力感、焦燥感
・自己反省
・より努力する人ほど重い課題を背負う

■ボランティア:実践の留意点
・相手の思いを確認するコミュニケーション。明るい態度。学ぶ姿勢。
・信頼関係とプライバシーの尊重。活動組織のルールを尊重。押し付けない姿勢。
・自分の立場と役割の把握。
・苦しい状況になった時にはそれを認め、回りにサポートを求めたり、現状での限界を謙虚に認め退く勇気。
・事前の準備と状況に即応できる柔軟な心。

■利他主義の作業定義
「社会通念に照らして、困窮あるいは不利な状況にあると判断される他者の援助を目的とし、自己の利益が主たる目的ではない行動」

■利他主義 / 利己主義
人間性悪説 荀子、Machiavelli、Hobbes
人間性善説 孟子、Rouseeau、Maslow
人間は本来的には善でも悪でもない Locke、 Watson、 Allport


■利他的行動の規定因
他者の存在
ロールモデルの存在
気分
対象者の特徴

■利他的精神の発達要因
文化的要因
生物学的要因
社会化
学習
その他

■利他主義研究
The empathy-altruism hypothesis
近親者への共感(血縁的利他主義)
社会的規範への志向性
社会的学習理論、救済論
傍観者効果(キティ・ジェノビーズ事件)
互恵的利他主義・社会的交換理論
ゲーム理論・合理的選択

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