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稲場圭信の研究室 Keishin INABA

大阪大学大学院教授(人間科学研究科):専門は共生学。地域資源(寺社等宗教施設と学校)と科学技術による減災が近年の研究テーマ。日本最大の避難所情報、未来共生災害救援マップ(災救マップ)開発・運営

文化行動特論受講生へ

「先端医療技術と倫理と宗教」5月8日(報告者:M1 寺村ゆかの)の論点です。
■胚の研究・利用と再生医学
・再生医学への期待
・ヒト・クローンとES細胞

 2004年6月23日に開催された総合科学技術会議の第35回生命倫理専門調査会において、
研究目的の人クローン胚の作成・利用を容認する方針が決定。

■「いのちの始まり」の議論を超えて
・現代の生命倫理問題(人胚の利用・研究)に対して、人類の基層的な宗教性、基層的なスピリチュアリテイ(霊性)を基盤に考えてみてはどうか。

・西洋哲学の伝統に基づく政治哲学的な慎重論と、「いのちを超えたもの」に論及する諸宗教の慎重論とつきあわせながら、より包括的な'慎重論を構築していく必要がある。

◎人間の危機は、人が人同士として共感しあい、涙を流しあう能力の衰退ということに関っている。そんそような人間性の危機に応答しようとする個々の感受性は、宗教的なもの、スピリチュアリティなものを含んでいる。

⇒ いのの区分には意味があるのかという問い自体が無効な状況:
人間が利用し、開発するテクノロジーが、倫理、人間自体のあり方、人間性に変更を迫る事態が生じている。

いのちの教育、感謝の念の必要性
西洋近代の我、個人を超えたところの議論。日本古来の人間観(間人主義、察しの文化、間柄、お蔭様)とスピリチュアリティ ⇒ 生命倫理の問題を別次元から照射する。

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