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稲場圭信の研究室 Keishin INABA

利他主義・市民社会論、ソーシャル・キャピタルとしての宗教に関する研究、宗教社会学:::稲場圭信(大阪大学大学院教授) Keishin INABA(Ph.D.)'s site for the study of altruism, civil society and religion as social capital.

ESD論「フィールドワークへの招待」レジュメ

「持続可能な開発のための教育」という意味のESDの概略について学ぶ。このテーマは環境教育や「持続可能な開発」という議論を広げ、これらの問題を平和や人権、貧困、ジェンダーなど幅の広観点から改めて取り上げ、「持続可能な社会」のあり方として再構成しようとする。この問題にこの問題には既存の「解」がないので、基礎的な理論を学びながら学外で展開しているフィールドに出向き現場の体験をする。

フィールドワークへの招待のレジュメ

■フィールドワークの誕生
人類学:アームチェアー・アンソロポロジスト → 現地調査
マリノフスキー、『西太平洋の遠洋航海者』 (1922)
社会学・シカゴ学派の都市研究:ゾーボー『ゴールド・コーストとスラム』1929、
アンダーソン『ホーボー―ホームレスの人たちの社会学』1923

■フィールドワークの低迷期 1940年代後半~1970年代
実証主義(統計的手法、二次文献資料分析)

■フィールドワークの再評価:1970年代後半から(早くは、ミルズ、『社会学的想像力』1959)
都市社会学、犯罪社会学、ライフコース研究など

■再評価の背景
・実生活に対する関心、脱・西欧思考
・実証的アプローチ  ⇒ 解釈的アプローチ
解釈学的転回:意味を問う、記述を重視
認識論的転回:当事者の視点(共感的・内在的理解)

■当事者性
・当事者の視点(イーミック)
・当事者の語りを重視
・参与観察とインデプス・インタビューでアプローチ

■社会科学におけるパラダイム・シフト
シンボリック相互作用論、社会構築主義、エスノメソドロジー
・当事者の経験の主観的な意味を重視
・個人の経験から社会や文化を読み解く
グランド・セオリーからグラウンデッド・セオリーへ

■フィールドワークの技法1 基本姿勢
みずから現場に身を置き、体験、観察するなかで、直感や感性を磨く
・「なぜ」、「どうして」という素朴な疑問をもつ
・先入観なしの観察力
・社会を対象に、思いをめぐらす想像力
・社会現象について記述する表現力

■フィールドワークの技法2 調査論点
・現場の規則・慣習
・人びとの相互作用・関係性
・当事者の考え方、意味づけ
・現場で立ち現れる問題点
・当該問題の広がり           など

■フィールドワークの技法3  調査方法
量的(定量的)方法から質的(定性的)方法へ
参与観察、(インテンシブな)インタビュー
cf.トライアンギュレーション、マルチメソッド
佐藤郁哉『フィールドワーク』、『フィールドワークの技法』新曜社

■フィールドワークの技法4 フィールドノーツ
・フィールドでのメモ帳(現場メモ)
・まとめたノートブック(清書版フィールドノーツ)
・聞き取り記録
・調査日誌7
主観的な印象を記録するのもよい。 →その根拠となる視覚的な情報を書いておく
◎現地を離れたら、その日のうちにノートブックに書き込む
 メモ書きから、文章化、ストーリ化(フレームワークによる固定化に要注意)
 メモ書きは保存しておく

■学問的社会貢献 
フィールドワーク、エスノグラフィーからアクション・リサーチ
環境や対人関係の変革・改善など、社会・環境問題の実践的解決のために、現場観察研究と実験研究を統合
計画 → 実践 → 評価 → 修正 → 適用

■ツール・ド・ESDの留意点
開始時に、自分の名前を告げ、挨拶
時間を守る
終了時に挨拶をして帰る
相手の思いを確認するコミュニケーション
明るい態度・学ぶ姿勢
信頼関係とプライバシーの尊重
活動組織のルールを尊重
自分の立場と役割の把握
苦しい時には回りにサポートを求める勇気
事前の準備と状況に即応できる柔軟な心

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