主参考文献
玄田 有史, 曲沼 美恵ニート―フリーターでもなく失業者でもなく
山田 昌弘 希望格差社会
小杉 礼子フリーターという生き方
その他参考文献
小此木 啓吾モラトリアム人間の時代
宮本 みち子未婚化社会の親子関係
山田 昌弘パラサイト・シングルの時代
宮本 みち子若者が社会的弱者に転落する
玄田 有史働く過剰
三浦 展下流社会 新たな階層集団の出現
後藤 道夫日本型大衆社会
フリーター、ニートは問題か?
経済団体の生産性を低下させる。年金問題、生活保護の問題(税金負担)
技術の継承、二極分化
上記は、モダン・パースペクティブ(業績、効率、理性、etc.)
予防策
トライやるウイーク
14歳の挑戦
キャリアサポート
ジョブセンター など試行錯誤
But!!! 別の社会ビジョンはないのか?
ニートの特徴
・孤立した人間関係
・自信の欠如
・中学・高校時代がからの状況の継続
納得するまで踏み出せないニート
But!!! 個性の時代、自分らしく、自分が幸せを感じられる職業をさがせという教育をニート世代は受けたきたのでないか。メディア、オピニオン・リーダー、国は、そのように煽ってきたのではないか。
時代の流れ
70年代
小此木啓吾『モラトリアム人間の時代』の出現
80年代はじめ
20歳代後半の未婚率が上昇し、その後30歳代へ。
大人になれない未熟者が社会的に認識される一方で、
独身貴族
80年代後半
DINKS(Double Income No KidS)の出現
大都市圏居住の若い世代の新しいライフスタイル
90年代
パラサイト・シングル
独身のままモラトリアム期を享受する豊かな若者
70年代と比べると、高等教育の大衆化により、より多くの若者がモラトリアム期をもつ。
→ フリーター
→ ニート
「働く意欲がない若者」というバッシングが多い。しかし、70年代から現在にいたるまで、どの年齢層でも「仕事志向」は減少している。モラトリアムの時代を経て、余暇を楽しもうという志向が増加。しかし、経済的不況「失われた10年」は、そのような豊かさとは程遠い。運良く職を得ても、サービス残業などを強いられる。そこに自らを置くことに躊躇する人、自信をもてない人。(宮本 みち子若者が社会的弱者に転落する
意欲がないこと、志向性の問題で片付けられない。社会構造の変化の問題である。
ニート発生の原因
1.労働市場説
・不況による人員整理
・産業構造の変化→人材育成はコスト
・不安定化する労働市場、リスク・不確実性)
・日本型大衆社会(家族と会社)の崩壊(後藤道夫収縮する日本型大衆社会
2.教育問題説
3.家庭環境説
労働市場の悪化、必要とされる能力の上昇、家族の不安定化。
70年代のモラトリアムは、いつかはそこから離陸して、目指す先が描けたが、今はすべてが不確実性の時代。
エリクソンの「人生の八段階」
1. 乳児:基本的信頼と基本的不信
2. 前期幼児:自立性(自律)と恥と疑惑
3. 後期幼児:積極性と罪悪感
4. 学童:生産性と劣等感
5. 青年:同一性(アイデンテイテイ)と同一性拡散
6. 若い成年:親密さと孤独
7. 成年:生殖性と停滞
8. 老人:自我の完成と絶望
この5段階目の青年、そして続く成人期への移行モデルが有効でないのが現代社会。
青年期はモラトリアム期であるが、青年期、成人期の明確なモデルが描けない(従来は卒業、就職、経済的自立、結婚、子ども出産、親)。もはやエリクソンのモデルは無効か。
70年代以降、職業構造の変化や地理的移動の増大など社会変動を反映し、成人期の社会化が必要とされるようになった。社会変動の激しい現代社会においては、個人がおかれる集団が流動的であり、集団によって個人に期待される役割およびそれにともなって習得するべき課題は異なり、社会化は成人期以降も継続すると考えられるのである。つまりは、青年、成人も自分探しの時代である。
cf.社会性(規範志向・道徳的)と社会力(生き抜く力)の違い
門脇厚司著作
cf.マートンの逸脱行動論マートン『社会理論と機能分析』
(文化的目標とそれを達成するために制度的手段の乖離:アノミー概念)
同調:文化的目標を受け入れ、合法的手段で達成しようとする(上流階級)
革新:文化的目標を受け入れる。達成するために合法的手段がなく非合法の活動に求める(下層階級)
儀礼主義:目標は拒否。制度的手段は受け入れる(中流階級)
逃避主義:目標を放棄。制度的手段ももたずに社会から完全に逃避(浮浪者)
反抗:目標も手段も拒否。新しい目標と手段を創造(革命家)