東日本を襲った巨大地震と続く大津波。自然の猛威を前にして、恐怖、深い悲しみ、そしてとてつもない無力感を覚え、被災地の外の者も心が苦しくなった。あれから7年目の夏。形の面での復興は進んでいるが、心の面での復興はどうであろうか。
今年も昨年に続いて、8月19日、震災復興イベント「コンポジウム気仙沼」が開催される。2015年8月には「レクイエム・プロジェクト気仙沼」と題して開催したが、それを含めて3回目となる。本年は、この春に設立された気仙沼仏教会による追悼・復興祈願法要、気仙沼アマチュアコーラス連絡会の合唱、住江一郎先生のピアノ演奏、SCK GIRLSのパフォーマンス、LEDのダンス、気仙沼太鼓学舎「ね」の演奏、そして、気仙沼の復興と未来に向けてのトークなど盛りだくさんの内容となっている。
「コンポジウム」とは、「コンサート」と語りあう「シンポジウム」を合わせたイベントだ。東日本大震災被災地の画家、加川広重氏による巨大水彩画「太陽と星の間」(縦5m40cm×横16m50cm)を宮城県蔵王町のアトリエから気仙沼市民会館大ホールに運び入れ、その巨大な絵を前に、東日本大震災で亡くなられた方々に祈りが捧げられ、希望の未来に向けてコンサートとトークが重ねられる。
筆者は、この震災復興イベントの発起人であり、実行委員のひとりとして気仙沼の皆さんとともに取り組んでいる。「大震災で失ったものは大きいが、新たに得られたものもある。気仙沼に来てくれる皆さんとのご縁、つながり」と気仙沼の皆さんが、度々気仙沼に来る筆者と学生たちをあたたかく迎えてくれる。筆者は、気仙沼の皆さんのあたたかさ、気仙沼の自然、美味しい空気、海の幸、地酒に心も胃袋もわしづかみにされてしまった。そして、また、8月19日のコンポジウム気仙沼2017のために、この地に足を運ぶ。
イベント終了後に大ホールのステージにあがり、巨大絵画を間近に見ることもできる。この震災復興イベントが希望ある未来へつながる体験になると実行委員会の皆が信じている。
「コンポジウム気仙沼2017:7年目の祈りから希望の未来へ」
日時:平成29年8月19日(土) 開場13:00 開演13:30
終了15:40(予定) 場所:気仙沼市民会館 大ホール、 入場無料
