[大震災から2年、思うこと]
今月は2回東北に行った。先日は気仙沼に僧侶の方々と一緒に行ってきた。テントの設営、たこ焼き・焼きそばつくり、子どもたちとの交流、そして、仮設住宅での傾聴。再会した年配のおばあさんから津波でご家族を亡くした悲しみをうかがうと、こちらも胸が
つまる思いだ。継続して関わっている宗教者の寄り添い姿勢、生き方に深い感銘をうける。
被災者や地域コミュニティとのコミットメントなく、災因論や東北の伝統文化・精神性ばかりを語る学者・評論家に辟易としている、仮設住宅等で大変な生活にある人、多くを失った方々の声を聞けば、そのような姿勢にはならないはず、とは、現場に継続して関わっている活動者、実践的研究者の声だ。
客観的姿勢とディタッチメントを強調した調査は、民俗学者の宮本常一が指摘した調査地被害を生む迷惑な存在ともなるので、自覚的な踏み込みが必要ではないか。共感をもとに現状を知り、課題を社会全体の問題として接続する、フィールドワークからアクション・リサーチが宗教研究者にも求めらていると感じる。
私も、そのような研究者の一人として、今後も継続して関わり続けたい。この春、全国の25万件の避難所、宗教施設のデータをいれた災害救援マップが立ち上げる。地道に、悲しみから社会の力につなげる取り組みを続けたい。(稲場圭信)
大阪大学「未来共生」セミナー 「被災地の復興を考える」のご案内
日時: 2013年3月29日(金) 14:00~18:00
場所: 千里阪急ホテル「仙寿の間」
詳細・お申込みは下記をご覧ください。
http://www.respect-seminar.org/