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稲場圭信の研究室 Keishin INABA

大阪大学大学院教授(人間科学研究科):専門は共生学。地域資源(寺社等宗教施設と学校)と科学技術による減災が近年の研究テーマ。日本最大の避難所情報、未来共生災害救援マップ(災救マップ)開発・運営

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年3月10~12日)

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年3月10~12日)

□清凉院(気仙沼市) 三浦光雄住職、副住職のお話
布施としての地蔵祭り
「お寺の葬儀や法要はアフターサービスであり、この世にいる間に人々にお祭りや花見で楽しんでもらいたい、その楽しかった思い出の中にお寺があってほしい、という思いで活動を行っている」
「お祭りの中で踊りや歌をみんなで奉納することで、お祭りが好きだったご先祖様も喜んでくれるだろう」
「宗教の教えがどれだけ素晴らしくても、教えを伝える僧侶の人格に人々はついていく」住職は裏も表も見せられるような、気さくなお坊さんを理想としている。こういった住職の考えと同じような考えを持つ僧侶たちとは意気投合し、宗派を超えたつながりを持っているようである。

(7月の訪問時の聞き取り内容は、『利他主義と宗教』(弘文堂)に書きました。)


□「湯みえーる」温泉施設に落ちていたアルバム。近くの住宅から津波で流されてきたのだろう。2009年3月の結婚式で「すすむ」さんと「ひろこ」さんの結婚式であることが、ある写真から判明した。震災から1周忌の日に発見されるとは。泥だらけの写真をすべて集めて、袋に入れた。どこかでご本人が生きていたらお届けしたい(気仙沼、八瀬・森の学校の吉田氏に託しました)

□京都ネット(浄土真宗本願寺派 京都教区寺族青年有志現地支援ネットワーク/代表 北條悟氏)らによる気仙沼市・切通仮設住宅での一周忌法要・傾聴活動
 各地で大きな追悼法要もあったが、19世帯、50人ほどの仮設住宅での法要、交流は心のこもったものだった。6時間の間に様々な思いを教えていただいた。被災地の方々は、忘れたくとも忘れられない現実があり、位牌や一周忌の法要でひと区切りしたい思いもある。しかし、被災地以外の人には忘れてほしくない。今後も継続した交流が望まれている。
□「心の相談室」実務者会議(於 東北大学)
 「心の相談室」は、東日本大震災で被災された方々の弔いから悲嘆ケアまでの一貫した切れ目のない支援を行うことを目的に設立された。宗教宗派を超えた宗教者による弔いをはじめ、悲嘆ケアや医療・生活支援の専門家らが一体となった支援を目標としている。

調査にご協力くださいました皆さまに感謝申し上げます。

詳細な報告書は以下(PDF)
http://keishin.way-nifty.com/jp/files/120310-12report1.pdf

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南気仙沼で祈りを捧げている遺族

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「湯みえーる」温泉施設に落ちていたアルバム

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京都ネットによる気仙沼市・切通仮設住宅での一周忌法要

過去の報告書は以下にあります。(7月以前の被災地訪問はネット上にはあげていません)

調査報告(2012年3月4~7日)
http://altruism.blog56.fc2.com/blog-entry-252.html
調査報告(2011年9月27~30日)
http://altruism.blog56.fc2.com/blog-entry-237.html
調査報告(2011年7月26~29日)
http://altruism.blog56.fc2.com/blog-entry-232.html

研究室移転

2012年5月から2013年2月まで耐震工事のため、私の研究室も移転します。ご連絡はメールでお願いいたします。

稲場圭信 k-inaba@hus.osaka-u.ac.jp

郵便物は、以下のままで届きます。

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1番2号
大阪大学大学院人間科学研究科
稲場圭信

よろしくお願いいたします。