木岡伸夫編著『都市の風土学』ミネルヴァ書房が刊行されました。
私も「現代都市における共存・信頼・憎悪―多民族都市ロンドンの苦悩」pp.244-260.を執筆しました。
主な項目:多民族都市、多文化主義、ソーシャル・キャピタル、監視社会、シティズンシップ
概要:ロンドンを事例に、多様な人種が共存する現代都市における人間関係を考える。リスク社会で、私たちは、信頼・規範・ネットワークといった ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)の乏しい関係性を生きている。イギリスでは、排除された人、孤立した人を取り込むような支えあう社会、インクルーシブな社会をつくりだそうとレーバー政権が、ソーシャル・キャピタルの考え方を積極的に導入した。市民の自発性にもとづくパートナーシップがより進められ、社会サービスの提供者として企業や市民の参加を促進した。しかし、テロ問題、移民問題があり、インクルーシブな社会の実現は困難である。現代都市における複雑な問題を浮き彫りにし、都市における人と人とのつながりを考察する。