稲場圭信 著
『思いやり格差が日本をダメにする
~支え合う社会をつくる8つのアプローチ』
NHK出版、生活人新書270
税込価格:693円、ISBN:9784140882702
近年、消費者のことを考えない食の偽装、株主と社会を騙す粉飾決済、違法派遣、教員採用試験をめぐる汚職事件、無差別殺人など、いやな事件があります。これらの事件の根底には、人に対する、そして社会に対する思いやりの欠如があります。一方、時には自分を犠牲にしてまでも他者のために行動をする人がいます。
他者や社会への思いやりを持つ人と持たない人、その思いやりの度合いに差が生じていると感じている人も多いのではないでしょうか。本書では、「思いやり格差社会」へ向かっている現状に警鐘をならし、思いやりの心を育て、支え合う社会の構築への取り組みを考えます。
思いやり社会の礎として、共感力、人間関係力、チャレンジ力、ロールモデル力の4つの力を、そして、支え合う社会をつくる8のアプローチをあげています。
目次 (おもな項目)
序章 忍び寄る「思いやり格差」社会
「思いやり格差」社会の兆し
ホームレス襲撃事件に見る「思いやり」格差
息苦しく生きにくい現代社会
いまだ根強い過去の価値・信念体系
第1章 思いやりとは何か
「思いやり」も早期教育が可能か?
乳幼児に見る「思いやり」の発達
心の理論が示唆するもの
ロールモデルとしての両親
第2章 家庭が育む思いやり
第3章 ボランティア活動が育む思いやり
第4章 社会が育む思いやり
ノブレス・オブリージュ
ソーシャル・キャピタル
宗教が育む「思いやり」
キリスト教と利他主義
日本の宗教の社会貢献
スピリチュアリティ・自分・他者
第5章 思いやりの支え合う社会をつくる方法
思いやり社会を支える四つの力
支え合う社会をつくる八つのアプローチ
対談 思いやり社会のカタチ―イギリス社会を見つめて(森嶋瑤子 & 稲場圭信)