稲場圭信の研究室 Keishin INABA

利他主義・市民社会論、ソーシャル・キャピタルとしての宗教に関する研究、宗教社会学:::稲場圭信(大阪大学大学院教授) Keishin INABA(Ph.D.)'s site for the study of altruism, civil society and religion as social capital.

バスの中での出来事

私のひとつ前の座席、入り口近くに座っていた女子学生の横におばあちゃんが乗ってきました。すぐにその学生が「どうぞ」と笑顔で席を譲ると、おばあちゃんは「ありがとう。すまないね」と言って座りました。「いいえ」と笑顔でこたえる学生。

そして、その学生はおばあちゃんの座った席の横に立ちました。しばらくして、おばあちゃんが「次、降りるからね。すまないね」と一言。再び「いいえ」と笑顔でこたえる学生。

次のバス停でおばあちゃんは「ありがとう」とお礼を言い、学生は笑顔で「どういたしまして」。そして学生はその席に座りました。

笑顔のコミュニケーションがとても素敵でした。すぐに体が動いて笑顔で席を譲った学生。その心と行いを素直にありがたく受け取ったおばあちゃん。そして、その場を立ち去るのではなく、そこに自然体で居続けた学生。近くで見ていて、とてもすがすがしい気持ちになりました。

座席を譲った後に別のところに移動する人が多いと思いますが、どうでしょうか?
照れくさい。あるいは、席を譲られた人も気が楽という心づかいかもしれません。

しかし、そこに留まって、最後にどちらかが降りる時に再び言葉を交わすことでこの行為は完結するように感じました。交わされた言葉は少なくとも、何かが学生からおばあちゃんに渡され、そして、おばあちゃんから学生に何かが渡されている・・・。

当事者二人、そして、それを見ていた私を含めた周りの数人、わずか10数分の間にとてもよい気分になったのでは。シャイな人には難しいことかもしれないけれど、はじめましょうか。席を譲ろうとして断わられたらどうしよう? もし、相手から「まだ若い!」と怒られたらどうしよう? 笑顔で申し出て、断わられたら「そうですか」と笑顔でこたえましょうか。

新入生研修会と携帯電話騒動

神戸大学発達科学部人間行動学科「新入生研修会」開催

先週末、新入生の「新入生研修会」を六甲山YMCAで行いました。履修指導の後、バーベキュー、グループワークゲーム、森の運動会と、共同作業や軽い運動をして親睦を深めました。

研修を終えて夕方、発達科学部にバスで到着。解散後、最後まで正門に残っていた9人のうち一人の女子学生Tさんが携帯電話を無くしたことに気がつき大騒ぎ。六甲山YMCAに電話し、スタッフに探してもらうも見つからず。待たせている友人たちに「ごめんね」を連発するTさんに対し、友人たちは「いいよ」と、携帯電話が見つかることを願っている様子。

結局、学科長であるH先生のワゴン車に乗り、本人が六甲山YMCAに探しに行くことになりました。Tさんの友人4人も助っ人として同乗。残る4人は正門でTさんたちの帰りを待っていました。

最終的に男子学生がTさんの携帯電話を発見。その時のTさんと一緒に探した4人の様子は青春ドラマものだったとか。正門で彼女たちの帰りを待ち続けた4人を含めて、彼女・彼ら9人は(車を出したH先生も?)、携帯電話の発見を通し、支え合いのつながり・きずなの芽生えを発見したのでは。

新学科最初の「新入生研修会」、忘れ物騒動により、ちょっといいものを発見できました。

これから学生生活の4年間、皆がそれぞれに、このような支え合いの体験を積み重ね、豊かな人間関係を築いてくれることを願っています。
(皆さん、携帯電話のおき忘れ、落とし物にご注意!)

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