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稲場圭信の研究室 Keishin INABA

大阪大学大学院教授(人間科学研究科):専門は共生学。地域資源(寺社等宗教施設と学校)と科学技術による減災が近年の研究テーマ。日本最大の避難所情報、未来共生災害救援マップ(災救マップ)開発・運営

レクイエム・プロジェクト気仙沼2015

作曲家の上田益さん、画家の加川広重さん、気仙沼の方々と一緒に企画した「レクイエム・プロジェクト気仙沼2105」が2015年8月6日、気仙沼市民会館大ホールで開催されました。
平日の昼、35度の猛暑にもかかわらず、400名近い人が参加。
多くの方から感謝の言葉を頂戴しました。実行委員会、関係者の皆様、ありがとうございました。

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仙台放送のニュースで当日の様子が紹介されました。
「レクイエム・プロジェクト気仙沼2015」
https://www.youtube.com/watch?v=RHUfZOh4qGA

新聞記事
・「レクイエム・プロジェクト 合唱や思い出朗読」河北新報リアスの風、2015年8月22日
河北新報リアスの風 150822

・「河北抄 レクイエム・プロジェクト気仙沼2015」河北新報、2015年8月7日
河北新報150807

・「絵と歌で鎮魂を きょう気仙沼 阪大准教授ら企画」朝日新聞、2015年8月6日
朝日新聞150806

・「鎮魂のハーモニー響く 気仙沼」三陸新報、2015年8月7日
三陸新報150807


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◆日時:8月6日 午後2時開演
◆会場:気仙沼市民会館 大ホール

 被災地の画家、加川広重さん作の「雪に包まれる被災地」を前に、上田益さん作曲のレクイエム(鎮魂歌)などを通して、「大切ないのちへの思い」をテーマに、参加者がその思いを重ね合わせます。
 気仙沼の5つのコーラスグループとレクイエム・プロジェクト仙台合唱団を中心に東京、神戸のメンバー有志も参加し、自然災害・人災・事故などで失われたあらゆるいのちへ鎮魂の祈りを向けます。

プログラム:
1. オープニング 海潮音(工藤霊龍)
2 .実行委員長挨拶(村上佳市)
3 .混声合唱組曲(上田益、菅原紀子、レクイエム・プロジェクト仙台合唱団有志、東京ならばいに神戸いのりのとき合唱団有志)
4 .レクイエム・プロジェクトについて(上田益)
5 .樹憶~きおく~(北川達也)
6 .映像とトーク「被災地にむける思い 震災巨大水彩画」(加川広重、稲場圭信)
7 .気仙沼の記憶(小野里海、横田真美子)
8 .合唱 とうさんの海、大切なふるさと(鈴木東吉、菅原紀子、コール・カルトヘル、そよかぜコーラス、松風コーラス、若草コーラス、コーロ・ルボールム、気仙沼の小・中学生有志、レクイエム・プロジェクト仙台合唱団有志、東京ならばいに神戸いのりのとき合唱団有志)
9. 追悼と希望のメッセージ(榊原英夫)
10. 大合唱(客席の皆様もご一緒に) 故郷(ふるさと)
11 .「雪に包まれる被災地」絵画自由鑑賞・体験

震災から2年,に思うこと

[大震災から2年、思うこと]
 今月は2回東北に行った。先日は気仙沼に僧侶の方々と一緒に行ってきた。テントの設営、たこ焼き・焼きそばつくり、子どもたちとの交流、そして、仮設住宅での傾聴。再会した年配のおばあさんから津波でご家族を亡くした悲しみをうかがうと、こちらも胸が
つまる思いだ。継続して関わっている宗教者の寄り添い姿勢、生き方に深い感銘をうける。
 被災者や地域コミュニティとのコミットメントなく、災因論や東北の伝統文化・精神性ばかりを語る学者・評論家に辟易としている、仮設住宅等で大変な生活にある人、多くを失った方々の声を聞けば、そのような姿勢にはならないはず、とは、現場に継続して関わっている活動者、実践的研究者の声だ。
 客観的姿勢とディタッチメントを強調した調査は、民俗学者の宮本常一が指摘した調査地被害を生む迷惑な存在ともなるので、自覚的な踏み込みが必要ではないか。共感をもとに現状を知り、課題を社会全体の問題として接続する、フィールドワークからアクション・リサーチが宗教研究者にも求めらていると感じる。
 私も、そのような研究者の一人として、今後も継続して関わり続けたい。この春、全国の25万件の避難所、宗教施設のデータをいれた災害救援マップが立ち上げる。地道に、悲しみから社会の力につなげる取り組みを続けたい。(稲場圭信)

大阪大学「未来共生」セミナー 「被災地の復興を考える」のご案内
日時: 2013年3月29日(金) 14:00~18:00
場所: 千里阪急ホテル「仙寿の間」
詳細・お申込みは下記をご覧ください。
http://www.respect-seminar.org/

被災地訪問(岩手県野田村10月2~4日)報告書

被災地訪問(岩手県野田村10月2~4日)の報告書をアップしました。
http://keishin.way-nifty.com/jp/files/20121118.pdf
(チーム北リアス「野田村」事務所、野田村役場庁舎、野田村中学校、愛宕神社、野田村中学校仮設住宅、久慈市教育委員会、レクイエムプロジェクトほか)
今月初旬の南三陸、気仙沼の報告書は、確認・許可がまだなので後日に。

被災地調査報告 写真入り詳細版(2012年8月9~12日)

被災地調査報告 写真入り詳細版(2012年8月9~12日)
報告書は以下(PDF)
http://keishin.way-nifty.com/jp/files/2012080911.pdf

内容
南三陸町歌津
・すばらしい歌津をつくる協議会事務所(小野寺寛さんインタビュー)
・歌津中学校学習支援
・歌津中学校全校長先生インタビュー
気仙沼
・夏祭り
・青龍寺他
歌津1
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福島「除染ボランティア」報告

福島「除染ボランティア」報告
http://syuenren.opensnp.jp/bbs/bbs.php?key=581&bbs_id=9&root=578&sub=578
これは、本来、誰がやるべきものなのか。復興予算の1.1兆円が​使われる見込みがないという。復興に全力、安全を確保に取り組む​と言いながら、経済、経営を優先し、人の命、生活をないがしろにする。変われない人たち、変わらない人たちと、変わった人たち、​目が覚めた人たち。せめぎ合いの今、小さな営みであってもできる​ことをする人たちがいる。昨日も数万人の人が声をあげた。

自分が動いても世の中は変わらない、では、本当に何も変わらない​。小さな一歩、小さな一声の継続が変革の力に。「涓滴岩を穿つ」を信じる。
小さな子どもたちが大人になった時、「2012年の当時、あなたたちが変わらなかったために、動かなかったために、こんな世界になってしまった」と言われるか。あるいは、本当に時代の転換期だった、よかったと思えるか。

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年4月27,28日)

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年4月27,28日)
写真つき詳細報告書は以下(PDF)
http://keishin.way-nifty.com/jp/files/20120427.pdf

被災地での宗教施設と宗教者の災害救援活動の調査に関しては、調査被害を考えて2011年4月から慎重に検討を進めてきました。福島原発の被害沈静化も先が見えず、行方不明者も未だ多数という現状と仮設への移行など様々な状況を検討した上で、パイロット調査も経て、2011年7月から連携しての調査を進めることにしました。
 以下に「宗教者災害救援マップ:訪問した施設」
http://sites.google.com/site/fbnerjmap/home/visited

□月山神社(神社本庁)岩手県陸前高田市
陸前高田では著名な神社である月山神社は指定避難所ではないが、高台にあり、研修道場もあるために多くの人が避難した。当日は避難者が200人、2日目から多くなり400人くらいが最初の3日間を過ごした。食べ物は、そばくらいしかなく、神社の千歳飴なども出した。5月の末の解散まで70名くらいが生活をした。

□青龍寺(曹洞宗)宮城県気仙沼市
復興といっても、一個人がどうか出来るということを超えている。目の前にあるものをひとつ、また、ひとつと取り組む。あまり目標を立てすぎても難しい。後ろにさがらないような気持ち。その繰り返し。問いかけをしながらニーズにこたえていく。平常時以上にそれが必要である。商店街の方々、地域の方々と協力しながら、取り組んでいる。

□浄念寺(浄土宗)お花見餅つき大会 気仙沼
 大地震の直後に、指定避難所の幼稚園よりもさらに高い場所にある浄念寺の境内に人々は逃げた。境内を避難者が埋め尽くした。落慶式をまだ終えていない新築の本堂を開放し、多いときには300名ほどの避難者を、最長で三ヶ月以上にわたって受け入れた。
 このお花見餅つき大会の企画は、責任者の島田絵加さん(駒込大観音として知られる光源寺副住職、自殺対策に取り組む僧侶の会)、さらに、小野静法さん(東京都北区の善光寺副住職、自殺対策に取り組む僧侶の会相談員)、宮坂直樹さん(浄土宗総合研究所、浄土宗東京教区教宣師前会長、浄土宗社会福祉推進委員)らが中心的に進めてきた。
 提供されるのは、餅つき(もち米40キロ、250食)、入浴剤づくり、お米配布、けんちん汁などである。その他に、昨年9月よりいわき市内の仮設住宅にて毎週開かれている「浜○かふぇ(はままるかふぇ)」が“出張”カフェの形でコーヒーなどを提供した。
 今回、大分から運ばれた1.5トンの米は、「大分米一升運動」によるものである。企業が寄付したものではない。大分教区浄土宗青年会が日田商工会議所青年部とフードバンク日田と共同で呼び掛け、檀家の人たちが、困っている人にむけて、一人が2キロ、5キロ、10キロとそれぞれに寄付したものである。そのひとり一人の思い、善意が集まったものだ。
 浄念寺の檀家の方は、「ありがたい。他の地で災害が起きても、自分たちにはとてもできないことだ」としきりに感謝していた。橋住職、副住職は、「まだまだこれから。壮絶な体験をされた方々。仮設住宅に入られても、皆さん大変な生活をしている。まだまだ支援が必要。ボランティアの方々の支援がありがたい」と語った。

 他にも支援活動をしている教団が多数ある。世の中の多く人が知らないが、宗教者は、宗教団体は、様々な支援活動を展開している。継続している。そして、そのような僧侶の生き方、社会との関わりの話を聞き、その思いに共感して、お寺に育っていない学生も支援活動に参加した。その学生は、「おかげさまで自分は生かされている。仏教とかではなく、生き方にひかれて自分も何かしようと思った」と語る。
 宗教者の生き方に感銘して、宗教を持たない学生もボランティアに参加したのだ。ロールモデルとして、宗教者の利他的な生き方、倫理観が社会へ浸透していく可能性がある。無自覚の宗教性にもとづいたボランティアもいる。そのような事例があるのだ。先日、このような宗教者の利他的な生き方に対する社会的認知度が5年前と変わらずに低いという調査結果がでた。私としては、引き続き、そのような利他的な生き方をフィールドワークしてゆきたい。

 地域のつながりを奪われ、家族を無くし、さまざまな縁を失った人たちが、これから生きていく、その伴走者となる。そのような苦難にある人を思いやり、苦に寄り添う宗教者が今いる。仮設住宅に入っても数年間、大変な生活は続く。宗教者、そして、宗教研究者にも息の長い関わりが必要とされている。

調査にご協力くださいました皆さまに感謝申し上げます。

わらべ地蔵 和みの笑み

「わらべ地蔵 和みの笑み:ボランティア募り被災地に贈る活動2年目」(『朝日新聞』2012年5月14日夕刊:森本俊司編集委員)
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被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年3月10~12日)

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年3月10~12日)

□清凉院(気仙沼市) 三浦光雄住職、副住職のお話
布施としての地蔵祭り
「お寺の葬儀や法要はアフターサービスであり、この世にいる間に人々にお祭りや花見で楽しんでもらいたい、その楽しかった思い出の中にお寺があってほしい、という思いで活動を行っている」
「お祭りの中で踊りや歌をみんなで奉納することで、お祭りが好きだったご先祖様も喜んでくれるだろう」
「宗教の教えがどれだけ素晴らしくても、教えを伝える僧侶の人格に人々はついていく」住職は裏も表も見せられるような、気さくなお坊さんを理想としている。こういった住職の考えと同じような考えを持つ僧侶たちとは意気投合し、宗派を超えたつながりを持っているようである。

(7月の訪問時の聞き取り内容は、『利他主義と宗教』(弘文堂)に書きました。)


□「湯みえーる」温泉施設に落ちていたアルバム。近くの住宅から津波で流されてきたのだろう。2009年3月の結婚式で「すすむ」さんと「ひろこ」さんの結婚式であることが、ある写真から判明した。震災から1周忌の日に発見されるとは。泥だらけの写真をすべて集めて、袋に入れた。どこかでご本人が生きていたらお届けしたい(気仙沼、八瀬・森の学校の吉田氏に託しました)

□京都ネット(浄土真宗本願寺派 京都教区寺族青年有志現地支援ネットワーク/代表 北條悟氏)らによる気仙沼市・切通仮設住宅での一周忌法要・傾聴活動
 各地で大きな追悼法要もあったが、19世帯、50人ほどの仮設住宅での法要、交流は心のこもったものだった。6時間の間に様々な思いを教えていただいた。被災地の方々は、忘れたくとも忘れられない現実があり、位牌や一周忌の法要でひと区切りしたい思いもある。しかし、被災地以外の人には忘れてほしくない。今後も継続した交流が望まれている。
□「心の相談室」実務者会議(於 東北大学)
 「心の相談室」は、東日本大震災で被災された方々の弔いから悲嘆ケアまでの一貫した切れ目のない支援を行うことを目的に設立された。宗教宗派を超えた宗教者による弔いをはじめ、悲嘆ケアや医療・生活支援の専門家らが一体となった支援を目標としている。

調査にご協力くださいました皆さまに感謝申し上げます。

詳細な報告書は以下(PDF)
http://keishin.way-nifty.com/jp/files/120310-12report1.pdf

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南気仙沼で祈りを捧げている遺族

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「湯みえーる」温泉施設に落ちていたアルバム

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京都ネットによる気仙沼市・切通仮設住宅での一周忌法要

過去の報告書は以下にあります。(7月以前の被災地訪問はネット上にはあげていません)

調査報告(2012年3月4~7日)
http://altruism.blog56.fc2.com/blog-entry-252.html
調査報告(2011年9月27~30日)
http://altruism.blog56.fc2.com/blog-entry-237.html
調査報告(2011年7月26~29日)
http://altruism.blog56.fc2.com/blog-entry-232.html

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年3月4~7日)

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援・復興支援活動の調査報告(2012年3月4~7日)

■サンガ岩手・吉田律子さんの傾聴活動(岩手県大槌町)
 自治会長の奥さん「津波てんでんこは、生き残った人たちへの慰めの言葉。皆てんでんこに逃げていない。家族を心配し、戻って津波にさらわれた人もいる。そして、色々な事情の中で、避難してきた人がいる。助けられなかった、助けられた、そういった色々な思いを抱えながら生きていく」
 吉田さんはじっと耳を傾け、入居者の方々が語られたことを大切に拾い上げ、共感と応援の言葉をさりげなく投げかけられていた。入居者の方が吉田さんを「一本筋が通っている」と表現されるように、信仰に基づく揺るぎない支援の姿勢は、入居者の方たちにも伝わり、お互いの信頼関係が築かれていると感じられた。

■「わらべ地蔵を被災地へ」プロジェクト冨田睦海氏
「自分自身も仏師として、わらべ地蔵づくりは「ものに気持ちをこめる」ということを見つめる良いきっかけになった。普段から言葉では「気持ちをこめて」と言っているが、改めて考えることができた。自分が作り上げた仏像について「大事にされるように行っておいで」「自分の手から放すのが惜しい」…そんな気持ちが“愛着”であり、気持ちをこめるということなのだということを見つけさせてもらった。このプロジェクトは“愛着”がひとつのテーマだと思う。」

■松島瑞巌寺「わらべ地蔵開眼供養」「東日本大震災物故者一周忌法要」
 開眼供養における仏師、冨田睦海氏の挨拶は、飾らない、心のこもったものだった。被災地の外から何か支援をしたいという思いを率直に涙声で語った。支援する側の思いが強いとの見方もできるかもしれないが、その思いは被災地の方々に伝わったであろう。わらべ地蔵を受け取った被災者である一人の中年女性が「本当にありがたい」と言葉少なに語ってくれた。
 当日開眼された1560体のわらべ地蔵。被災者へ心を寄せてボランティアたちが、それぞれに、まさに思い・願いを込めて取り組まれたのだと思うと胸があつくなった。一つの祈る縁(よすが)をもとに、僧侶、スタッフ、ボランティア、現地の方々の心がつながった。心だけを切り取った「心のケア」はありえず、思いを形にした様々な取り組みが被災地の方々の心にも伝わり、「心のケア」につながる。
 開眼供養の前日、わらべ地蔵開眼にむけて30名以上の僧侶が準備をしていた。心うたれるものがあった。ボランティアたちが、自分が心を込めて刻んだ像には愛着がわくが、それを他者のために自分の手元から離す。わらべ地蔵を刻んだボランティアの誰もが抱く思い。その思いとともに、わらべ地蔵が津波で子を無くした親御さんのもとに、大切な家族を失ったご遺族のもとに届けられる。子を亡くす悲しみ、大切な人を亡くす悲しみ。何年かかるかわからないが、愛別離苦が少しでも癒されるように願っている。

■共生地域創造財団・川浪剛氏
 夏以降、1500世帯の仮設住宅、120世帯の被災住宅に物資を配ってまわっている。10回以上通えば、被災者の方といろんなことを話してくれるような関係性ができる。「お茶のんでいかい?(お茶飲んでいきませんか?)」と言われ、自然と会話が生まれる。被災者の方は、そのようなときに、津波のことや家の修復のこと、費用のことなどをお話される。そうやって聞いたことから、他の支援機関につなぐこともある。こうした経験から、「物資を通じた心のケア」に近づいてきたな、と感じている。物資がコミュニケーションツールとなって、「丸ごとのケア」への足掛かりになっている。

■亘理聖書キリスト教会・熊田康之牧師
「ボランティア活動の背景には、隣人愛の教え、隣人が困っていたら助けるのは当たり前、恵みによって支援活動をさせていただいている、という気持ちがある。キリストを模倣するように、自分が身代わりとなって、誠実に活動させていただこうという思いがある。」「行政もここ5カ月ほどは見ない。社会福祉協議会も見ない。ある程度ボランティア活動はやり終え、後はお金を出して委託してやってもらおうという感じなのではと思う。
 しかし、ボランティアが来てもやることがない、というわけではない。まだまだボランティアをやりたいと言う人はいるが、その受け皿がない。コーディネーターがいないだけである。実際はやることはたくさんある。地域の人々とつながりを持つことで、いろんなことを教わることも多い。その中で、ボランティアができる場を提供してもらっている。やってあげているのではなく、共に活動していくという気持ちが大きい。このように、地元に根付いてニーズにこたえていくことが、教会の仕事なのではないか。」

調査にご協力くださいました皆さまに感謝申し上げます。

詳細な報告書は以下(PDF)

大槌町で継続的に傾聴ボランティア・支援活動をしている吉田律子さんからご連絡を頂きました。仮設住宅のおばあちゃんたちも報告書を読んで下さり、喜んでいたとのこと。おばあちゃんたちが手芸で作った品、軍手のぬいぐるみは私の娘たちの友達になっています。「復興とは、一番先に被災者の心のケアではないでしようか」という吉田さんは、これからも寄り添いの活動を継続されるとのことでした。

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援活動の調査報告 修正

被災地における宗教施設・宗教者の災害救援活動の調査報告(2011年9月27~30日)
の間違い等を加筆修正しました。以下です。

・宮古市の善林寺様の聞き取り内容の記述を一部修正
・山田町の瑞然寺様の宗派を「曹洞宗」から「日蓮宗」に修正

お詫びして、訂正いたします。

なお、両寺院様にご連絡させて頂き、お詫び申し上げました。
現地での今の状況も教えて下さり、また、春以降の訪問のお約束をしました。

今週末は、大槌町などを回ります。


なお、報告書の修正版は以下にあります。

http://altruism.blog56.fc2.com/blog-entry-237.html
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